こぶのいち

山の店があるベラミ山荘の変化を象徴するものの1つ。内からでなく、外からの動き。
ベラミ山荘内の不要なものを処分するために始まったベラミ市に始まり、自分の店や工房を移動し、母屋にお店やアトリエが入り、人の出入りが多くなってきた昨今。
オーナーの、ベラミ山荘に居る人の、その個々の人の繋がりや出会いで、新たなことを始めていました。

大きくみれば古いものですが、個々の眼を通して集められてきたものは、ただ古いものとしてあるだけでなく、なにか別なものを内包して、個性をより発揮しているように感じます。
その巡り合せも骨董市、蚤の市の醍醐味であり、蒐集癖をくすぐる魅惑の迷宮となる。ような気がします。

それを、ここでは、こぶのいち といいます。 こぶは、こぶつ(古物)のこぶ。

IMG_0314 - コピー〈ベラミ山荘の門。2016年6月5日に、こぶのいちの門として、開門しています。〉
 
ベラミ山荘に魅せられて、ここで何かをしたいというものが、この場所に縁のある古もの好きな人たちの中にありました。それを蚤の市というかたちで3月に1回目が実現しました。内からでなく、外からの提案。それが変化の1つ。

来る人を不思議な感覚にしてくれるベラミ山荘という空間。自分もその感覚を味わった1人でしたが、共有したい気持ちをも持たせる場所です。
併せて、のんびりと自分のペースで過ごしてほしい場所。その意識が来た人たちに生まれた場所だから実現したと思います。
その実現に協力、参加してくれる人も、なかなかどうして。十人十色。そんな言葉がでてきます。
だから集められたものやそれらが並べられる場、それを集めた人、それをみたいと来る人が集う、こぶのいちという空間を楽しんでもらいたいです。

そして忘れてはならいなものを追記すると、いつもは提供できない飲食。これも繋がりがもたらしてくれたもの。
来てくれている人の気持ちになにか温かいものを感じさせてくれます。こちらをメインとして楽しんでもいいかもしれません。十色のなかのいくつかの色彩。

さらに今回は、この時期だからこそのものが。山荘を離れた道路一つ向こうには、陰ながら手間をかけて育てられた、紫陽花 が咲いています。
色、かたちも違うさまざまな紫陽花たち。その存在には、日ごろ時間があれば、足しげく通い、静かに手入れをしている陰の生育者さんたちを見かけていました。そんな人たちが居るのも忘れずに観てほしいと思います。

古いもの と くちにするもの と はな 
人を介して、使い、味わい、鑑賞する。

みな、おなじ。なような気がします。

そういうものが取り巻く、こぶのいち。自分にとっては、異彩が放つ色彩豊かなもの。
彩りを加えてもよし、抜いてもよし、その補色した色彩を楽しんでほしいです。

それぞれの理由で。それぞれの感覚で。

 

 

2016.05.20 Updated |