スツール

スツールは、座具としての最初の形態のもので背や肘掛のないものです。
古くはエジプトでシート部分に皮や布を使い、折りたたみタイプや、ラッシング、木の板をつかったものが既に存在していますし、折りたたみのXになっている脚が、ギリシャとかになるとデザインとしてX状の脚が作られています。
椅子と身分、立場というもので分けられて使用された時代もあったようで、主人達が座る椅子に対して、他の人は、スツールに座るという光景がホールとかでみられていたんでしょうね。

店に置いてるスツールの一つは、アンダーフレームがついていて、さらに脚と繋げられているブラケットと呼ばれるパーツが付けられています。

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スツールでアンダーフレームが付くと、座が長方形のものをイメージしてしまうのですが、これは円形です。同様のものは、c1820~1840と紹介されているスツールがありました。
フレームを覆うので、座も大きくなり、他のスツールより大きくなっています。
座の裏に鉄の細い板状なものが角度つけて付けられていました。座の割れなどの修理でもなさそうです。アンダーフレームは、それを避けて掘り込まれている。なんの意味でつけてるんでしょう・・・。可動式ではないようですし・・・。
もしかして花器や装飾品などを置く背の高いスタンドからの転用?でも脚がしっかりしてるからそれはないかななどと思ったり。

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狭い場所の両方にブラケットが付いてるので、尖塔形にも見えて、ビクトリアン時代に流行ったゴシックリバイバルのように感じもしました。
とはいうもののイギリスにおいてゴシックリバイバルの家具は、後半になるにつれてものすごく大きくなり、装飾過多というイメージですが、こいつはわりとシンプルだし。
1900年代に入りエドワーディアンあたりまでいくのか?
よく家具を目の前にしてぐるぐるといろんな考えが巡ってます。

でも座も大きく構造的にも強いので、大柄な人でもどっしり座れるスツールだと思います。
スツールは、机の下にも潜りこませられ、場所もとらず、でしゃばらないスタイルにちょこっと座れる機能もあって好きな家具の一つです。