実家の仮作業場に手を加えるべく庭に増築をと考えている最中に、裏手のお向かいさんが引っ越しするからと家具の引き取り相談に始まり、片付け依頼を経て週に1、2度そこに住むおばあさんと、これいりますか?捨てますか?と確認しながらゆっくり半年ちかく作業をしていました。

長い間お邪魔していると、古い家ながらも所々にお気に入りの場所を見つけ、あんな風に、こんな風に手を加えていけば、きっといい表情になるなと、妄想に暮れた建物。それは物心ついた頃には目にしていたもので、実家同様平屋だけれども、庭も広く、玄関近くの1室は、テラスがあり、窓にルーバーが付き、隣の芝はなんとやら。

空き家にしとくのは忍びなく、愛着も湧いてきたところでルーバーが付く洋間の一間を貸してほしいと持主さんへのお願いが通りまして、作業場として活用していくことになりました。

実家の玄関から80歩。実家のWi-Fiも入るとたったそれだけなのに、ほくそ笑む。作業台を一人で車に乗せる手間よりも、台車に乗せてそのまま道路を渡れば楽だろうとゴロゴロと押して作業場の引っ越し。学生時代に近所の引っ越しだからと、畳屋さんにお願いして軒先に置かれていた大八車を借りて街中を押す自分を思い出していました。

まずは作業できる体制を整え、貯まった修理作業を優先して、手を加えたい箇所の手入れはこれから借りている間にのんびりしてゆく予定です。

作業台2

軒先に運んだばかりの作業台。立てて運んだ作業台をそのままにして置いたら、この後強風で倒れて、パーツが外れてしまいました。大体こんなオチだよなとぶつくさ言いながらそこでの修理第1号は、移動したばかりの作業台。

これがないと作業できないというのもあるけれど、店をオープンするときに作業場づくりした建物の解体作業で出た柱などの廃材で作った作業台。修理することで、ある意味気持ち的にも締め直すきっかけにもなりました。

知らない間に汚し、傷もつけてきたけれど、まだまだお付き合い願おうか。お互いだましだましでも動くまでは。

 

最近

四月から家具を直す時間や機会が増えました。
時間あれば夜、店でも作業。

夜は狭い店の家具を移動し、作業空間づくり。
そんな中で、どう対処しようかと思い、悩んだり、または楽しんだり。
好みや懐かしい曲がインターネットラジオから流れてくると、鼻歌で応えながら。

夜が更けるのも早いですが、心地よい時間です。
RIMG1079

        独 坐 幽 篁 裏
        弾 琴 復 長 嘯
        深 森 人 不 知
        明 月 来 相 照      竹 里 館                            王 維