門司港

門司港で行われるおさんぽマルシェに行きましたが、昨日からの雨と風の為だったのか、雨が止んでましたが中止だったようです。

せっかくなので会場近くにある出光美術館の企画展『古染付と祥瑞(しょんずい)』に行ってきました。17世紀の明末、景徳鎮民窯で焼かれた2つの焼き物。どちらも日本人がつけた呼称です。 古染付の古は、当時の染付の中では、古い雰囲気があるからだそうです。

古染付は粗末な碗皿と日本人が注文したという茶具で大別されているそうです。日本の茶人が好んだ理由が『虫食い』という粗末な粘土、釉薬のために生じた釉薬の欠けてできた景色だそうですが、その知識もなく眺めていても、やはりいいなと思ったのは、その器の中でその欠けが生み出す雰囲気でした。

古染付 色絵丸繋文鉢

祥瑞(しょんずい)は、上質になりその染付けももっと深い青、その模様も細かく緻密でした。もともと官窯が廃止されたのちにその技術が民窯へと受け継がれていたと考えられているようです。器底の銘『五良大甫呉祥瑞造』からきているそうですが、呉祥瑞とういう人物で、呉氏の五男(五良)の長男(大甫)が造ったのを、五良は五郎で日本人だと信じられていたこともあったそうです。

好き勝手な解釈のように思えますが、この2つの共通点は、日本人の茶人が注文したという経緯があります。しかしこの経緯が資料も残らずわかっていません。また模様には日本の御所車の柄がみられます。そういう柄があるということからも日本人製作説の解釈が生まれたと思います。まだ窯跡も発見されていないようですので、今後の発見に期待されます。

色絵の祥瑞で葉の部分だけ釉薬を被せて凹凸をつけてエンボス気味にしたてた皿がありました。

色絵 皿 祥瑞

写真ではわかりにくいのでが、葉としてしっかり主張しているのですが、これがでしゃばりすぎず全体に自然に溶け込んでいました。これが活き活きと植物としての生命力みたいなのを演出しているようで、自分の中ではこころにくし的な作品でした。

これらは出光コレクション所蔵のものです。出光の前身の出光商会が門司に発足したという背景からこの美術館があります。

この美術館のあと近所のsomething 4 というアンティーク家具と雑貨を扱うお店に寄りました。雰囲気がとてもよくて、感じのいい女性の店員さん二人が切り盛りしていました。店の大きさはうちと差ほどもかわらないですが、ほんとやわらかい雰囲気で、セレクトしてるものもよかったです。店の印象がよくて、ボーっとしていたせいか、傘をお店に忘れてきました。今年になって4本目の傘。あー、またやってしまったと怪しい曇り空を帰りの電車から眺めるのでした。

門司港 門司港駅

初めて電車で門司港に行きました。さすがに古い大きな建物が残りレトロという感じがはまる町だという印象でした。整備されただけに綺麗すぎる感はあるものの、やはり大きな箱がおさまるに足る地であることは確かでした。