目の前の椅子から思うこと

写真の椅子をウイッカーチェアと呼ぶ人もいます。ウイッカーチェアで辞書検索すると、籐椅子とでてきますが、天然ものや人工ものを編みこんだ家具などを総称して、Wickerを使うこともあるようです。特に夏や外で使う家具に対して使われているようです。このラッシュシートやロイドルームの椅子などもウイッカーチェアということになりますね。

この椅子は、脚を少し切られているせいで座面高は低くなっていますが、ドッシリ感がでているようです。ドッシリ感というか、低いから自分の脚を前に少しだすと、窮屈さがなくなるせいなのかもしれません。肘掛も付いていて、座った時の姿勢が開き気味になっているという、あくまで自分の感じからですけど。

でもこの椅子の脚は、前面が凸凹で塗装が剥げています。家具を修理していると、その傷や壊れた箇所の原因を考えるんですけど、これに関しては、前倒しになった椅子をシーソー状にしないとできそうにない傷なんですが、肘掛の先端には傷はなく、なんでこういう状況になったんだろって。うーん、猫や鼠だともっとシャープな傷だし云々・・・。実際小さい頃実家にあるソファの上に乗ってドッタンバッタンとシーソー状に遊んだことを思い出していました。

傷も脚のカットもその家具の歴史として表れています。それも一つの古家具の魅力になりうることですけど、家具の修復を勉強し始めた頃、修復の学会で、家具の天敵は、それは人間だと冒頭で発表していた人がいました。なんかガツーンってなりました。 あ、そうか!って腑に落ちたことを思い出しました。使い方、扱い方によってまさに天敵。天敵より、よきパートナーになりたいものです。