2015年

蚤の市で見つけた、医療用の器具。用途は不明ですがスライドする蓋がついてま­­す。今は、違うものに転用して使用してます。
RIMG1685それはアニマルグルー(にかわ、接着剤)用のグルーポッドに転用。蓋もついてるので埃も入らず、少量なので熱湯につけて柔らかくしやすく重宝しています。ちゃんとしたグルーポッドも有りますが、鉄製で大きいので最近はこちらをよく使います。瓶の中に、溶かす前の固形のアニマルグルーがありますが、これに水も加えて一時置いたものに熱を加えると液体状なります。基本的には、この糊を使ってます。ただ必要に応じて木工用ボンドやもっと強力な糊も使用することもあります。それは、これ以後の修理も考えての選択です。

さて新年も始まり、また今年も修理・修復を進めていきます。
昨年は、依頼された家具修理・修復も増えて、何かしら作業をしていました。1年を通して作業している椅子もあります。お客様のものが大半なので、サイト上では写真を載せていませんが、どんな家具なのか、簡単なリストですが、以下この1年で修理し終わったものです。
修理
・ホールディングチェア(1970~)
カードケースの傷修正と再塗装(イギリス 1920~50)
アームチェア(イギリス 1820~40)
アームチェア(イギリス 1820~40)
テーブル (イギリス 1880~1910)
テーブルの脚 (イタリア20c)
トライポッドテーブル (イギリス 1860~90)
トレイ (イギリス 1900~1930)
スタンド(イギリス 1900~1930)
カクテルキャビネット(イギリス 1970‘s)
・チャーチチェア(1900~1950)
・スツール(日本 昭和)
オットマン(イギリス 1900’s
座の張替
・スツール(1930~50)
・子供用ハイスツール(日本1970~80)
事務用椅子(日本 昭和初期)
製作
・座卓の脚をテーブル用に長さを延長してコピーして同型の脚を製作

今年はどんな家具に出会えるか楽しみにしつつ、慣れると癖になる膠の匂いが充満する作業場からの挨拶でした。

それでは皆様よい御年を!!

ハッキング

突然ホームページが文字化けをして、内容がまったく見れない状態になり、ご迷惑をおかけしました。

BD GREY HAT HACKERS というサブタイトルに変更されていので調べたところ、海外のハッキング集団が、あるサーバーに対して、集中的に改ざんを行っているようです。

現在は復旧しました。

 

気持ちばかりですが

暑中お見舞い申し上げます

8月に入り、暑さも全開といったところでしょうか。ここ若松は、店前の洞海湾からの海風が幾分、暑さを和らげもする時もありますが、やはり九州、なかなか・・・。

この暑さの中、外出もたいへんですが、皆さんへ暑中お見舞いとして、気持ちばかりですが、セールというかたちであらわそうと思いました。なにぶん急な思いつきでして、準備もセール色もだしていませんが、のぞいてください。

土日営業で、かつお休みする週もあるかもしれませんが、8月中の土日を予定しています。メールなどのお問い合わせは8月中いつでも。(8月17日、18日は休むかもしれません)家具に対しては、手を入れてからの引渡しになりますので、お時間いただくことになりますので、その点ご了承ください。

倉庫を使い、いくつか家具の写真を撮ってました。 大正末の建物ですが、その後アパートになっていた部屋の仕切りなどを取っ払い、当時の壁やらむき出しの倉庫です。ここで写真を撮ると、店での雰囲気とはちがう感じをみせてくれます。

 

陰影

店には強い西陽が差し込みます。
大きな窓だけに、春先からよしずで陽をさえぎり、上下ある上窓だけ開けているのですが、ふとみると窓からの陽が壁に。
陽に照らされた家具の木と鉄の質感と陰影の違いがはっきり浮き出ていました。
その光と影という両極の違いと木と鉄という、同様に両極にあるモノが創出されたその形は、影としては同質のものの様に壁に写っています。

 

違うモノとしても、形にしたのは人間です。そういう表現を例え機械的に作業してできたものでも、
その表面には、機械ではでない少し歪んだアンバランスさを感じます。
それがまたいい味という人もいれば、気になる人もいるでしょう。でもそんな曖昧さに自分は惹かれます。
どちらが好きと聞かれれば 木 と答えますが、どちらも人を介したモノに通じる魅力にも惹かれます。

今、この写真に写っている家具の一つのパーツがアンバランスでさえ、このラインにいたるまで、どれだけの人を介したんだろう。
そしてどういう意図でこの全体のデザインの中でここを張り出したり凹ませたるに到ったんだろう。

こうして見ると世の中にあるものは人の意図でいっぱいですね。
沢山の意図されたものから選択したものを身近なものに。
こういう循環があるからこそ、さらにその意図を昇華させようとして、いいものが生み出されるんだろうな。

 

 

 

 

Motto

ここ数日家具の直しとともにカトラリーの整理をしてます。銀器も少し仕入れてはいますが、前回はEPNSと刻印されているニッケルシルバーや一部ステンレスのものを仕入れました。刻印から製造会社、製造地、品質などがおぼろげにわかったりして、夜な夜な調べ物などをしてました。

皿 カトラリー アンティーク

 

ナイフには、HARRISON BROS & HOWSON  CUTTERS TO HIS MAJESTY とその上に王冠をはさんでG Rと文字がみることができました。いろいろ調べてみると、イギリスはシェフィールドにある会社であることがわりました。そしてHIS MAJESTY ということから、王様をさし、王冠とGRの符号は1910に王位につき1936年に亡くなったGeroge Vだそうです。そしてステンレスとして表記が始まるのが1914年以降といことでしたので、この製作年代は1910~14年の間の可能性があります。

そして別にラテン語がみれます。そこには UBLIQUE / QUO FAS ET GLORIA DUCUNT  というエンブレムがあります。 Everywhere, where right and glory leads us というRoyal armyの砲兵隊と工兵隊のモットーであることがわかりました。どうやら軍隊で使われたか、それに関係していると思います。

フォークは、オリジナルの先端が何らかの理由で外れて(外して)付け替えています。接合部分をみると、かなり強引につけてる感があります。刻印はみれないのですが、私見では柄のほうが古く、柄を使いたくこの処置をした感じです。そういえば、バーミンガムの博物館で日本の小柄(蟹の細工が施されている)の柄とフォークの先端とつなぎ合わせていたものを見たことがあります。

いずれも長い間使用されたようで、ナイフは何度もシャープニングされ、フォークも修理されています。こういう使われた時間を刻んだものをみると愛着がましてしまいます。

 

 

リース

先日中学の同級生二人が店に遊びに来てくれた。今では立派なお母さんだけど、話せば昔の面影濃く、基本変わらない二人。お土産にリースを開店祝いとしてもらった。寒くなり、それにあわせて少し商品をだしたりしていたけれど、クリスマス的な雰囲気はなかった店だっただけに、少し雰囲気が柔らかくなった感じがします。

クリスマスリース

そこで置き場所に選んだのは、ドレッサーのトップ部分の上。調度ドレッサーに置いているフランスからやってきた18世紀の朽ち果てたと思われるかもしれないマリア像の上に置いてみた。マリア像は細部に彩色を残すのみで、今では色も剥げ落ちているけれど、その像の歴史の中では、こうしてクリスマスにはもっと眩い日々を過ごしてきたかもしれない。

像で思い出したのが、たまに覗いてはいろいろアドバイスをいただいた日本の古美術あつかうお店でいいもの見せてあげるよと、山の神をまつる木製の人形をみせてもらった。烏帽子をつけるその顔は墨書き。でもこれが少し遠くからみると、その顔は生きている人みたいに、表情がついているのかと思わせるほど、顔が浮かびあがってくる様。ほんとに山の神がいる的な感覚に陥ったことを思い出しました。こういったものはこれから何百年と伝わって行くだろうなと感じたんですが、このマリア像も自分の気を妙に引き、日本まで連れてこようと決心したものでした。

新たな項目

11月9日 ホームページの項目に Furniture をたてました。

今、店にある家具をホームページ上で簡単ですけど見せれるようにしました。買付け時の写真だけで詳細まではみれないですけど、どんな家具があるのか、ますは雰囲気でもと思いのせています。気になるものあれば、細部の写真などを送ります。 

 

ティーはいかが?

買付けで滞在したところは、イギリス チェスター州のサンドバッチというところでした。周辺には日本人にもお馴染みな町のストーク オン トレントをはじめ、陶磁器で有名な町が点在する地域でした。昔から陶器がつくられていた地域なので、焼き物の出会いも多くありました。

ティーポットを多く仕入れた買い付けでしたが、日本ではあまり馴染みがないかもしれないとおもったのが、ジャックフィールド ポテリー(jackfield pottery)です。

もともと18世紀にシュロップ州のジャックフィールドで作られはじめられ、周辺に広がったようです。特徴は黒い釉薬に金彩などで模様がつけられていました。

                                    メトロポリタン博物館蔵 c.1760-1770

19世紀のビクトリアン時代になると、金彩に加えエナメルなどの装飾も加えられたものが登場し、贈り物などやおみやげなどでもとめられたそうです。

jackfeild pottery

このポテリーはいろいろな呼び方があるようですが、その1つがジャパンドウェアで、漆器からきているようです。余談ですが、漆への羨望も漆がイギリスに入る17世紀半ば以降に始まり、名誉革命が起こる1688年には、漆技法の専門書が出版されています。漆技法といっても、模倣という点での書です。その書は現代でも出版されていましたが、日本の研究者さんが翻訳したものが里文出版さんから出版されています。

ビクトリア女王が1861年に夫であるアルバートが亡くなり喪に服してから黒いものを使用したのも、黒いこれらのアイテムが流行した一因とも。しかしこの時期はヨーロッパでもパピエマシェのアイテムや家具もみられるので、黒い地に金や多彩な配色で飾られたものが家庭のなかでも多く存在していたと思います。

写真のものはどちらもエナメルで装飾されていますが、ドットが多用されています。帯状にまとめられていたり、全体に散りばめられたり、様々なデザインがありますが、これを草間彌生さんがドットをつけるとどうなるのかなって思ったりしてました。

14×13cmと大きめな容量なので、1度で多くのカップに注げそうですね。